つなぐとつくるの間

大船駅から徒歩15分ほどの場所にある障害者支援施設、リエゾン笠間。

50名ほどの主に身体障害を持った入所者が暮らす生活棟に囲まれて、

敷地の真ん中には広々とした芝生があり開放的な雰囲気です。

主任であり看護師の肩書も持つ湯川芳代さんにお話しを伺いました。

 

まずはリエゾン笠間で行われている活動について教えていただきました。

イベントなどで販売する手芸品を作る『生産活動』や音楽や塗り絵をする『余暇活動』、

ヒーリングや機能訓練など充実した内容で、

「パンフレットに載せきれていない活動がたくさんある」と話します。

生産活動で革製品の染色をしている様子を見学させていただきましたが、

指導してくださるボランティアさんにアドバイスを受けながら一人で取り組む方や、

職員さんと息を合わせて道具を動かす方など、

皆さんそれぞれのペースで製作に励んでいました。

製品の種類も豊富で、特に『ドリームブリッジ』と呼ばれる廃材を活用した商品は、

地紋入りの封筒の模様を生かしたペーパークリップや、

お寺などから集めたろうそくに、保育園からもらった使わなくなったクレヨン

色付けしたキャンドルなど、凝らされた趣向に驚きの連続でした。

◇リエゾン笠間のパンフレット
◇リエゾン笠間のパンフレット

 

 

また、運動会や文化祭、地域に開いたお祭りやキャンドルナイトなど、

イベントも盛んに開催され、

キャンドルナイトにアーティストを招いてプロデュースを依頼したこともあるそうです。

 

‟つなぐ”という意味をもつリエゾン笠間は2016年に10周年を迎えましたが、

法人内では毎年グループホームや作業所など、

利用者のニーズに合わせた新しい施設を開設しており、

「法人の流れの中でも、今は‟つなぐ”と‟つくる”の間の時期だと考えている」と湯川さんは話します。

入所の相談があった場合も、その人にとって施設に入所することが最善なのか、

地域で暮らす方法もあるのではないか、ということを検討するそうです。

今あるものにつなぐのか、つながり先をつくるのか。

活動面でも生活面でも障害がある方の社会の中での暮らしを支えることに、

真摯に向き合い続ける姿勢を感じました。

                                 (2017/5/2訪問 川村)

◇リエゾン笠間ホームページ http://liaison-kasama.com/